総評!M1グランプリ2020
2020年12月26日
今年もM-1グランプリ2020が無事に開催され、マヂカルラブリーの優勝で幕を閉じました。
下馬評では優勝候補に上がる事はありませんでしたが、下馬評を覆し、2017年大会決勝進出者の中で最下位だった雪辱を果たしました。
今回のコラムでは1stラウンドから決勝ラウンドまで各決勝コンビのネタについて触れ、全体の総評を行えればと思います。

決勝進出コンビは、アキナ、マヂカルラブリー、見取り図、錦鯉、ニューヨーク、おいでやすこが、オズワルド、東京ホテイソン、ウエストランドの9組でした。
昨年から連続で決勝進出となるニューヨーク、オズワルド、見取り図。
過去に決勝進出経験のあるコンビ アキナ、マヂカルラブリー。
初決勝進出となる、錦鯉 おいでやすこが 東京ホテイソン ウエストランドと非常にバランスのとれた選出となりました。
中でもダークホースとして注目されていたのはピン芸人ユニットおいでやすこが、M-1史上最高齢での出場となった49歳長谷川 雅紀の錦鯉でした。
準決勝時でもこの二組のネタは突き抜けており、注目度が高かったです。
また3年連続の決勝進出となった見取り図が今年こそ優勝するのではないか、もしくは昨年3位のぺこぱが敗者復活戦からの下剋上も期待される展開になりました。
上沼恵美子怒られ枠として話題となったマヂカルラブリーの反撃なるかなど、見どころの多い決勝になることが予想されました。
決勝が行わる日の午後から惜しくも決勝進出とならなかった15組(祇園が欠場したため)による敗者復活戦も行われました。
過去には敗者復活戦から優勝したサンドウィッチマンやトレンディエンジェルもおり、ここからの下剋上は充分に可能性がありるため、決勝と並んで注目されています。
今年は昨年3位のぺこぱが敗者復活戦に回るだけでなく、昨年、決勝進出コンビ、インディアンス、からし蓮根。
過去に二回決勝進出した、ゆにばーす。
ラストイヤーの学天即、ネクストブレイクが期待される金属バットやコウテイなど、どのコンビが勝ち上がってもおかしくない顔ぶれとなりました。
結果的にはインディアンスが敗者復活戦を勝ち上がり決勝にコマを進めました。

1stラウンドでは、大会史上初の敗者復活戦の勝ち上がり組からスタートとなりました。
大会の特性上、1組目は審査員も様子見をすることが多く、点が伸び悩む傾向にあります。
過去には、昨年1組目だったニューヨークや、18年に1組目だった見取り図も結果的には決勝戦出場コンビの中で最下位となりました。
今回もその傾向がありましたが、インディアンスのネタはとにかく畳みかける勢いのあるネタで過去の1組目よりも有利なネタ構成だったかに思えます。
また、敗者復活から間が空くことなくネタに入れたのも功を奏したのかもしれません。
しかしながらやはり様子見をする審査員が多く思ったより点が伸びませんでした。
順番が後に回っていれば・・違った結果になったかもしれません。
トップバッターはどうしても不利になる傾向にあることから、トップバッターは敗者復活組にした方がいいという意見もありましたが、今回がまさにそのケースとなりました。
しかし、昨年ネタが飛んでしまった雪辱を見事果たし、来年以降のリベンジに期待です。
クイズ形式のネタで、若干点があがりにくかったのか、結果的には最下位に沈んでしまいました。
頭使う系のネタはジャルジャルのようなリズムネタくらいの分かりやすさが必要なのかもしれません。
たしかに後半、フリであるクイズ部分が長くなり、観客や審査員を置いて行ってしまった感は否めませんでした。
しかしながら、たとえフリが正しく伝わってなくても狂言を模したような独特のツッコミにより笑いに変えられた点は流石でした。
まだまだ若いコンビなだけに来年以降の巻き返しに期待です。
東京ホテイソンの所属するグレープカンパニーは、カミナリのどつきツッコミや今回の東京ホテイソンのツッコミなど独特なツッコミが多いイメージです。
去年の歌ネタから一転したネタで細かい軽犯罪ネタがどう響くか心配ではありましたが杞憂でした。
審査員の塙さんから現代版時事ネタと評され、得点も伸びましたが、惜しくも決勝3組には残りませんでした。
笑わないツッコミを去年の踏襲でいれて、良い感じで程よい自虐ネタとも織り交ぜ、バランスもよくあと一歩が及ばなかったのが残念でした。
来年どのようなツッコミスタイルになるのか楽しみです。
しかし昨年の最下位から今年はキングオブコントでも決勝に残るなど着実に力をつけています。
来年悲願の優勝もあるかもしれません。
3回目かつ3年連続の決勝ということもあり安定感は抜群でした。
大阪の劇場で培った正統派の漫才の感じが分かりやすく観客の笑いも多かったように思えました。
順番的にも丁度温まってきた中で、ネタ構成も、後半に畳み掛けていく感じが最後に盛り上がりをつくり高得点につながったように感じました。
全員が90点以上の高得点をつけたのも納得でした。
結果的に3位通過しました。
ツッコミの盛山さんが長髪と弄られネットでも話題になりました。
昨年、塙さんから漫才中に鼻を触る癖を指摘されたこともあってか今年は鼻を触っていませんでした。
修正してきていましたね。
ふたりともピン芸人というユニットで初の決勝に進むという快挙を達成。
ダークホースとして期待されていましたが、見事な結果となりました。
R-1の出場資格が変わり後のない2人が、あくまでもピン芸人のユニットとして戦っていく形は自分たちのスタイルを 貫き高得点を結び付けたように思いました。
歌ネタのように見せツッコミの爆発がすごいインパクトを与えていました。
6組目 マヂカルラブリー 649 2位通過
上沼恵美子怒られ枠として話題となったコンビ。
ボケの野田はR-1優勝。
コンビとしても キングオコント、M-1と全てのコンテストの決勝に残るという実力派コンビでおり、今回も期待値は高かったと言えます。
2017年の最下位からのリベンジを果たす結果となりました。
ネタの世界観が独特で好みは分かれるが、今回も独特の世界観を貫きました。
暴れる野田をツッコミの村上が冷静に突っ込む構図はある意味サイレント映画を見ているようにも思えました。
途中までの展開はよく激かったが、最後のボケが何となく静かで肩透かしを食らった感じはしましたが、高得点をたたき出し、見事上沼恵美子さんにリベンジ成功しました。
昨年から連続の決勝進出。
オシャレな漫才は今年も健在でしたが、前2組が激しい漫才の後に静かな漫才がくるこの流れのタイミングは非常によく思えたが、結果としては伸び悩んでしまいました。
要所で大きく入るツッコミがよかったが、この大きなツッコミが審査員の松本さんにははまらず点が伸びなかったように感じました。
また、ジャブのような笑いが多く続いたのは良かったが、大きな爆発的な笑いがどこかに入っていれば違った結果になったのかもしれません。
前回の決勝から少し間があいての決勝進出。キングオブコントも決勝に進むほどの実力者で、今回も事前の三連単予想では優勝候補として名前が出るほど注目されていました。
正統派漫才で安定した構成ではあったが、「好きな子が見に来て、良いとこを見せようとする」ネタが万人受けしなかったか、個人的には万人受けするシチュエーションだと思ったが難しい。
また、今大会では、独特の世界観が強いコンビが多い中、ある意味正統派が浮くような形となってしまったのが結果的に伸び悩んでしまったのか、そこまで低い点になるネタはなかっただけに残念な感じはしました。
インパクトの多い組がそろった今回の決勝ではインパクト面で弱かったのかもしれません。
準決勝ではいちばん面白かったと話題になっていたコンビで、おいでやすこが とならんでダークホースとして注目されていました。
自身がパチンコ台になるという斬新なネタだが、イロモノネタでありながら正当なツッコミのバランスがよく面白かった。
しかしながら、ネタが若干万人受けしないだけに、結果的に、3位に後5点足りず4位となった。
パチンコネタがどうしてもパチンコに縁のない人には響かない部分があったか、もしくはまさのり一発ギャグのレーズンパンがチョイスミスしたのか。
タラればだが、最終組で出ていれば昨年のぺこぱのような滑り込みがあったかもしれない。
突破に必要な5点足りないところが、どこかパチンコの激アツリーチを外したような残念さを感じた。
しゃべくり漫才の構成ではあったが、ディスる、自虐ネタは確かに賛否が分かれてしまうところがあり小ボケは多かったが大きな笑いがないところが得点に響いてしまったようである。
「お笑いは今まで何もいいことのなかった奴の復讐劇なんだよ」という爪痕を残しただけに来年以降のリベンジに期待したい。
※アキナと同点だが、各審査員の得点を比較し、高得点をつけた審査員の数がアキナより下回った為9位となった。
結果的に、おいでやすこが マヂカルラブリー 見取り図が決勝に進出した
決勝ラウンドは予選の順位から 見取り図 マヂカルラブリー おいでやすこがの順番でネタを披露することとなった。
イントネーションネタからの地元ネタにとバリエーションを多く取り入れたネタ構成であった。
見取り図ならではとも言える過去のボケを後からツッコむが決勝で見られたのは良かった。
今回しゃべくり漫才を披露するコンビが少ない中で、王道の漫才を決勝で披露した。
審査員や観客のウケもよく優勝の可能性も高く感じた。
独特の世界観を決勝でも披露した1stよりも不可思議というか摩訶不思議な展開、ボケの野田さんがほんとんどしゃべらないという斬新さ。
サイレント映画のような演出でこれぞマヂカルラブリーというネタでした。
司会の今田さんが笑いすぎてコメントできないという過去にもあまり見ないウケ方をしていた。
2本目も歌ネタで攻めた。
しかしながら、終始歌ネタのボケが強すぎて、ツッコミとかぶる感じがしたのが残念。
1stのような聞かせるツッコミでの笑いがなく、ボケとツッコミが重なってしまったがゆえに1stのような爆発がなくなったようにも見えた。
マヂカルラブリーが悲願の優勝を果たした。
マヂカルラブリーの3票 見取り図2票 おいでやすこが2票という近年では珍しく割れた結果となった。
2017年最下位からその後何度も阻まれた決勝の扉をこじ開け見事優勝。
万人受けするネタじゃないことから優勝できるネタではないと言われ続けたが、世界観を貫き成就した。
これで残りのタイトルはキングオブコントだけとなり前人未踏の3冠に王手をかけた。
惜しくも敗れたが、見取り図は、今回、決勝に残った組み合わせが悪かったかのように思える。
審査員の雰囲気がどこか独自路線を重視する傾向にあっただけに惜しい結果となった。
1stで1位通過したおいでやすこがは、やはり1本目を超える爆発が無かったのが残念に思えた。
付け焼刃の漫才テクニックを取り入れず、あくまでユニットだからできるネタではあったが、歌ボケとツッコミがぶつかった結果爆発ではなく、相殺し不発になってしまったか。
今回のM-1では、独自の世界観を持ったコンビが優位になった傾向と言える。
正統派といわれるしゃべくり漫才ではなく、歌ネタやコント漫才のようなコンビが上位になった。
決勝で残ったコンビの中で漫才だったのは見取り図だけという意見も目にした。
個人的には、漫才とみなされていなければ決勝まで残らなかったと思うだけに、今回の決勝進出組は全て漫才だったと思う。
また、今年は上沼恵美子怒られ枠がなく、怒られる当人にとっては溜まったものではないが、毎年の風物詩ではあっただけに残念であった。
また、視聴者に配慮した結果なのだろうか、上沼恵美子さんがつける点も常に高得点気味だったのも、気掛かりだった。(最低点でも92点と、審査員の中で唯一80点台をつけなかった)
また、見取り図がどことなく和牛のような決勝に残るが優勝まで届かないコンビになる感じが否めず来年そんな不安を払拭させるような展開を陰ながら応援しています。
以上で今回のコラムを終了しようと思います。
M-1を観られた方もこれまで興味があまりなかった方も是非2021年は注目してみてください。
弊社では過去にたくさんのお笑い芸人をキャスティングしてきました。
今回のM-1で多くのコンビが印象に残ったかと思います。
イベントのゲストや広告契約をしたいなどお考えの際は是非弊社までお声がけください。
下馬評では優勝候補に上がる事はありませんでしたが、下馬評を覆し、2017年大会決勝進出者の中で最下位だった雪辱を果たしました。
今回のコラムでは1stラウンドから決勝ラウンドまで各決勝コンビのネタについて触れ、全体の総評を行えればと思います。
決勝進出者に関して

決勝進出コンビは、アキナ、マヂカルラブリー、見取り図、錦鯉、ニューヨーク、おいでやすこが、オズワルド、東京ホテイソン、ウエストランドの9組でした。
昨年から連続で決勝進出となるニューヨーク、オズワルド、見取り図。
過去に決勝進出経験のあるコンビ アキナ、マヂカルラブリー。
初決勝進出となる、錦鯉 おいでやすこが 東京ホテイソン ウエストランドと非常にバランスのとれた選出となりました。
中でもダークホースとして注目されていたのはピン芸人ユニットおいでやすこが、M-1史上最高齢での出場となった49歳長谷川 雅紀の錦鯉でした。
準決勝時でもこの二組のネタは突き抜けており、注目度が高かったです。
また3年連続の決勝進出となった見取り図が今年こそ優勝するのではないか、もしくは昨年3位のぺこぱが敗者復活戦からの下剋上も期待される展開になりました。
上沼恵美子怒られ枠として話題となったマヂカルラブリーの反撃なるかなど、見どころの多い決勝になることが予想されました。
敗者復活戦に関して
決勝が行わる日の午後から惜しくも決勝進出とならなかった15組(祇園が欠場したため)による敗者復活戦も行われました。
過去には敗者復活戦から優勝したサンドウィッチマンやトレンディエンジェルもおり、ここからの下剋上は充分に可能性がありるため、決勝と並んで注目されています。
今年は昨年3位のぺこぱが敗者復活戦に回るだけでなく、昨年、決勝進出コンビ、インディアンス、からし蓮根。
過去に二回決勝進出した、ゆにばーす。
ラストイヤーの学天即、ネクストブレイクが期待される金属バットやコウテイなど、どのコンビが勝ち上がってもおかしくない顔ぶれとなりました。
結果的にはインディアンスが敗者復活戦を勝ち上がり決勝にコマを進めました。
1stラウンド展望

1組目 インディアンス 625 7位
1stラウンドでは、大会史上初の敗者復活戦の勝ち上がり組からスタートとなりました。
大会の特性上、1組目は審査員も様子見をすることが多く、点が伸び悩む傾向にあります。
過去には、昨年1組目だったニューヨークや、18年に1組目だった見取り図も結果的には決勝戦出場コンビの中で最下位となりました。
今回もその傾向がありましたが、インディアンスのネタはとにかく畳みかける勢いのあるネタで過去の1組目よりも有利なネタ構成だったかに思えます。
また、敗者復活から間が空くことなくネタに入れたのも功を奏したのかもしれません。
しかしながらやはり様子見をする審査員が多く思ったより点が伸びませんでした。
順番が後に回っていれば・・違った結果になったかもしれません。
トップバッターはどうしても不利になる傾向にあることから、トップバッターは敗者復活組にした方がいいという意見もありましたが、今回がまさにそのケースとなりました。
しかし、昨年ネタが飛んでしまった雪辱を見事果たし、来年以降のリベンジに期待です。
2組目 東京ホテイソン 617 10位
クイズ形式のネタで、若干点があがりにくかったのか、結果的には最下位に沈んでしまいました。
頭使う系のネタはジャルジャルのようなリズムネタくらいの分かりやすさが必要なのかもしれません。
たしかに後半、フリであるクイズ部分が長くなり、観客や審査員を置いて行ってしまった感は否めませんでした。
しかしながら、たとえフリが正しく伝わってなくても狂言を模したような独特のツッコミにより笑いに変えられた点は流石でした。
まだまだ若いコンビなだけに来年以降の巻き返しに期待です。
東京ホテイソンの所属するグレープカンパニーは、カミナリのどつきツッコミや今回の東京ホテイソンのツッコミなど独特なツッコミが多いイメージです。
3組目 ニューヨーク 642 同率5位
去年の歌ネタから一転したネタで細かい軽犯罪ネタがどう響くか心配ではありましたが杞憂でした。
審査員の塙さんから現代版時事ネタと評され、得点も伸びましたが、惜しくも決勝3組には残りませんでした。
笑わないツッコミを去年の踏襲でいれて、良い感じで程よい自虐ネタとも織り交ぜ、バランスもよくあと一歩が及ばなかったのが残念でした。
来年どのようなツッコミスタイルになるのか楽しみです。
しかし昨年の最下位から今年はキングオブコントでも決勝に残るなど着実に力をつけています。
来年悲願の優勝もあるかもしれません。
4組目 見取り図 648 3位通過
3回目かつ3年連続の決勝ということもあり安定感は抜群でした。
大阪の劇場で培った正統派の漫才の感じが分かりやすく観客の笑いも多かったように思えました。
順番的にも丁度温まってきた中で、ネタ構成も、後半に畳み掛けていく感じが最後に盛り上がりをつくり高得点につながったように感じました。
全員が90点以上の高得点をつけたのも納得でした。
結果的に3位通過しました。
ツッコミの盛山さんが長髪と弄られネットでも話題になりました。
昨年、塙さんから漫才中に鼻を触る癖を指摘されたこともあってか今年は鼻を触っていませんでした。
修正してきていましたね。
5組目 おいでやすこが 658 1位通過
ふたりともピン芸人というユニットで初の決勝に進むという快挙を達成。
ダークホースとして期待されていましたが、見事な結果となりました。
R-1の出場資格が変わり後のない2人が、あくまでもピン芸人のユニットとして戦っていく形は自分たちのスタイルを 貫き高得点を結び付けたように思いました。
歌ネタのように見せツッコミの爆発がすごいインパクトを与えていました。
6組目 マヂカルラブリー 649 2位通過
上沼恵美子怒られ枠として話題となったコンビ。
ボケの野田はR-1優勝。
コンビとしても キングオコント、M-1と全てのコンテストの決勝に残るという実力派コンビでおり、今回も期待値は高かったと言えます。
2017年の最下位からのリベンジを果たす結果となりました。
ネタの世界観が独特で好みは分かれるが、今回も独特の世界観を貫きました。
暴れる野田をツッコミの村上が冷静に突っ込む構図はある意味サイレント映画を見ているようにも思えました。
途中までの展開はよく激かったが、最後のボケが何となく静かで肩透かしを食らった感じはしましたが、高得点をたたき出し、見事上沼恵美子さんにリベンジ成功しました。
7組目 オズワルド 642 同率5位
昨年から連続の決勝進出。
オシャレな漫才は今年も健在でしたが、前2組が激しい漫才の後に静かな漫才がくるこの流れのタイミングは非常によく思えたが、結果としては伸び悩んでしまいました。
要所で大きく入るツッコミがよかったが、この大きなツッコミが審査員の松本さんにははまらず点が伸びなかったように感じました。
また、ジャブのような笑いが多く続いたのは良かったが、大きな爆発的な笑いがどこかに入っていれば違った結果になったのかもしれません。
8組目 アキナ 622 8位
前回の決勝から少し間があいての決勝進出。キングオブコントも決勝に進むほどの実力者で、今回も事前の三連単予想では優勝候補として名前が出るほど注目されていました。
正統派漫才で安定した構成ではあったが、「好きな子が見に来て、良いとこを見せようとする」ネタが万人受けしなかったか、個人的には万人受けするシチュエーションだと思ったが難しい。
また、今大会では、独特の世界観が強いコンビが多い中、ある意味正統派が浮くような形となってしまったのが結果的に伸び悩んでしまったのか、そこまで低い点になるネタはなかっただけに残念な感じはしました。
インパクトの多い組がそろった今回の決勝ではインパクト面で弱かったのかもしれません。
9組目 錦鯉 643 4位
準決勝ではいちばん面白かったと話題になっていたコンビで、おいでやすこが とならんでダークホースとして注目されていました。
自身がパチンコ台になるという斬新なネタだが、イロモノネタでありながら正当なツッコミのバランスがよく面白かった。
しかしながら、ネタが若干万人受けしないだけに、結果的に、3位に後5点足りず4位となった。
パチンコネタがどうしてもパチンコに縁のない人には響かない部分があったか、もしくはまさのり一発ギャグのレーズンパンがチョイスミスしたのか。
タラればだが、最終組で出ていれば昨年のぺこぱのような滑り込みがあったかもしれない。
突破に必要な5点足りないところが、どこかパチンコの激アツリーチを外したような残念さを感じた。
10組目 ウエストランド 622 9位
しゃべくり漫才の構成ではあったが、ディスる、自虐ネタは確かに賛否が分かれてしまうところがあり小ボケは多かったが大きな笑いがないところが得点に響いてしまったようである。
「お笑いは今まで何もいいことのなかった奴の復讐劇なんだよ」という爪痕を残しただけに来年以降のリベンジに期待したい。
※アキナと同点だが、各審査員の得点を比較し、高得点をつけた審査員の数がアキナより下回った為9位となった。
結果的に、おいでやすこが マヂカルラブリー 見取り図が決勝に進出した
決勝ラウンド
決勝ラウンドは予選の順位から 見取り図 マヂカルラブリー おいでやすこがの順番でネタを披露することとなった。
見取り図
イントネーションネタからの地元ネタにとバリエーションを多く取り入れたネタ構成であった。
見取り図ならではとも言える過去のボケを後からツッコむが決勝で見られたのは良かった。
今回しゃべくり漫才を披露するコンビが少ない中で、王道の漫才を決勝で披露した。
審査員や観客のウケもよく優勝の可能性も高く感じた。
マヂカルラブリー
独特の世界観を決勝でも披露した1stよりも不可思議というか摩訶不思議な展開、ボケの野田さんがほんとんどしゃべらないという斬新さ。
サイレント映画のような演出でこれぞマヂカルラブリーというネタでした。
司会の今田さんが笑いすぎてコメントできないという過去にもあまり見ないウケ方をしていた。
おいでやすこが
2本目も歌ネタで攻めた。
しかしながら、終始歌ネタのボケが強すぎて、ツッコミとかぶる感じがしたのが残念。
1stのような聞かせるツッコミでの笑いがなく、ボケとツッコミが重なってしまったがゆえに1stのような爆発がなくなったようにも見えた。
結果
マヂカルラブリーが悲願の優勝を果たした。
マヂカルラブリーの3票 見取り図2票 おいでやすこが2票という近年では珍しく割れた結果となった。
2017年最下位からその後何度も阻まれた決勝の扉をこじ開け見事優勝。
万人受けするネタじゃないことから優勝できるネタではないと言われ続けたが、世界観を貫き成就した。
これで残りのタイトルはキングオブコントだけとなり前人未踏の3冠に王手をかけた。
惜しくも敗れたが、見取り図は、今回、決勝に残った組み合わせが悪かったかのように思える。
審査員の雰囲気がどこか独自路線を重視する傾向にあっただけに惜しい結果となった。
1stで1位通過したおいでやすこがは、やはり1本目を超える爆発が無かったのが残念に思えた。
付け焼刃の漫才テクニックを取り入れず、あくまでユニットだからできるネタではあったが、歌ボケとツッコミがぶつかった結果爆発ではなく、相殺し不発になってしまったか。
まとめ
今回のM-1では、独自の世界観を持ったコンビが優位になった傾向と言える。
正統派といわれるしゃべくり漫才ではなく、歌ネタやコント漫才のようなコンビが上位になった。
決勝で残ったコンビの中で漫才だったのは見取り図だけという意見も目にした。
個人的には、漫才とみなされていなければ決勝まで残らなかったと思うだけに、今回の決勝進出組は全て漫才だったと思う。
また、今年は上沼恵美子怒られ枠がなく、怒られる当人にとっては溜まったものではないが、毎年の風物詩ではあっただけに残念であった。
また、視聴者に配慮した結果なのだろうか、上沼恵美子さんがつける点も常に高得点気味だったのも、気掛かりだった。(最低点でも92点と、審査員の中で唯一80点台をつけなかった)
また、見取り図がどことなく和牛のような決勝に残るが優勝まで届かないコンビになる感じが否めず来年そんな不安を払拭させるような展開を陰ながら応援しています。
以上で今回のコラムを終了しようと思います。
M-1を観られた方もこれまで興味があまりなかった方も是非2021年は注目してみてください。
弊社では過去にたくさんのお笑い芸人をキャスティングしてきました。
今回のM-1で多くのコンビが印象に残ったかと思います。
イベントのゲストや広告契約をしたいなどお考えの際は是非弊社までお声がけください。